園長月のお便り
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    両手を広げて                             園長 玉井 史恵
     新緑が芽吹き、さわやかな5月を、カトリック教会では「聖母月」(マリア様の月)として
    います。また日本をはじめ世界でも5月の第2日曜日を母の日と定めている国が多くあるそうです。
    さて、皆さんはマリア様といったらどんなイメージがありますか?両手を広げて、微笑む姿でしょうか?
    イエス様を抱いている姿でしょうか?手を合わせて静かにたたずむ姿でしょうか?私は幼稚園の御聖堂の
    後ろにある両手を広げたマリア様の姿が大好きです。このマリア様に向かった時、『頑張った私も、
    情ない私も、嫌な私も、いつも同じように両手を広げて受け入れてくださっている。』と感じることが
    できるからです。子どもたちもマリア様が大好きです。それはマリア様に自分のお母さんと同じ、理屈
    ではない愛を感じているからではないでしょうか。
     今、まだまだ緊張と不安の中にいる年少さんは、迎えにきてくださったお母さんの姿を見ると緊張の
    糸が切れるのでしょう、泣き出したり、「抱っこ!抱っこ!」とせがんだりしています。先日、迎えに
    みえたお母さんは妹さんを抱っこしていましたが、抱っこをせがむ年少の我が子を見て「1日頑張ったものね」
    と、両手に2人のお子さんを抱いて笑顔で帰って行かれました。母は凄い!嬉しそうな母子の笑顔から
    見送る私が幸せな気持ちをもらいました。
     ちょうど同じ日、高校3年生になった卒園児が、私が園長になったことを知り、お母さんと一緒に幼稚園に
    来てくれました。来る道すがら「先生、まだぼくのこと抱っこできるかなぁ~」と言っていたそうで、話を
    していると、幼稚園の頃いつも抱っこしてもらっていたことを、10年以上たった今も覚えてくれていると
    言うのです。なんと嬉しいことでしょう。
     また、私が年少の担任をしていた時、自分の息子がどうも苦手で、どうやって関わったらよいのかわからな
    かった。というお母さんが、「息子が先生の腕の中にとても嬉しそうに飛び込んでいく姿を見て。こうすれば
    いいんだと思いました。これなら私にもできそうです」と話してくださったことがありました。
    両手を広げた中に子どもたちが飛び込んできてくれる瞬間は、私にとって、とても嬉しい瞬間です。
    お互いに ぎゅ~っと抱きしめあう時、私の中になんとも言えない穏やかで、温かな気持ちが生まれます。この
    年になっても、大勢の子どもたちから沢山の幸せを与えてもらっていることに感謝しながら、これからも
    たくさんの ぎゅ~ をしていきたいと思います。
     皆さんはお子さんを抱きしめていますか?
    褒めたた後も、叱った後も、お子さんが泣いている時も、どんな時もマリア様のように両手を広げてお子さんを
    迎えてあげてください。そして 『どんなあなたも大好きよ』 の気持ちを込めて何度でも ぎゅ~っと抱きしめて
    あげてください。抱きしめるのに、理由はいりません。時間もかかりません。
    ちなみに私は、入園式が始まる直前、前園長先生に「大丈夫!頑張って!」ぎゅ~っと抱きしめてもらいました。
    ぎゅ~ は心の 栄養です!

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