園長月のお便り
  •          イースターエッグ
    『幸せのかたち』                園長 湯本美奈子

     心配していた雪は昨年程ではないものの、突然の大雪で大事故やパニックになった地域もあります。
    早く暖かい春が来ないかと心待ちに過ごす今日この頃です。

     子どもたちはお正月のあそびや雪遊びをしながら作品展に向けて
    製作活動に励んでいます。今年は〝はらぺこあおむし″の世界を想像しながら、
    『廃品や様々な素材に親しむ』 『特性を活かして大切に使う
    (布・紙・ガムテープ・セロテープのり・ボンドなど)』
    『思いを形にする』などをねらいに、みんなで協力し合い、
    自分にできることで 『共働(きょうどう)的なあそび』 を展開していきます。
    今年度最後の参観日を楽しみに、ご家族揃ってお越しください。
     さて、年長さんはいよいよ4月から小学生ですね。
    マリア幼稚園で過ごした数年間は、子どもたちにとってどんな時間だったでしょうか?
    楽しいこと、泣きたいこと、色々あったと思います。あいさつのできる子、
    りんじんを愛する子、がまん強い子、ともだちと仲良くできる子、
    うそをつかない正直な子(あ・り・が・と・う)の教育には、
    いつも『愛である神様が、いつも共にいてくださる』 カトリック精神がありました。
     愛とか幸せってどんな時に感じますか?
    ご存知の方もいらっしゃると思いますが、60年近く前から障害者雇用を始め、
    現在も社員の7割以上が障害者で、チョークを作っている『日本理化工業(株)』。
    そこの社長さんは
    『人間の本当の幸せとは「愛されること、褒められること、
    役に立つこと、必要とされること」と話されました。
    まさにその通りだと、お話を聞きながら涙が出てきてしまいました。
     子どもたちはこれから成長し、社会の荒波に自分の船を漕ぎ出します。
    点数や人の評価や、心ない言動に振り回されることもあるでしょう。
    物やお金で一喜一憂することもあるでしょう。
    けれども、本当の幸せは目に見えないところにあることを忘れないで下さい。
    子どもたちに話しています。「目に見えるものは、
    人にあげれば無くなってしまうけれど、目に見えないやさしさや
    思いやりは使えば使うほど、神様がみんなの心に
    『愛』という宝物に替えて増やして下さるんだよ」と。
    「みんなの目も、口も、手や足も『愛』があればニコニコするし、
    やさしいことばを言うし、手も、なでてあげたりさすってあげたりできるし、
    足も困っている人の所に走っていくことができる。でも愛がなければ、
    にらんだり、傷つくことばを喋ったり、叩いたりつねったり蹴ったりする。
    みんなの体は神様が愛の心で遣うように下さったものなんだよ。」と。
    格差社会が広がる中、大切なものは目に見える確かなもの・・・
    に走りがちですが、子どもたちには本物の宝探しの旅に、
    船を漕ぎ出してほしいと願っています。
    『誰も見ていなくてもいつも見ていてくださる神様』だからこそ、
    子どもたちは神様に褒めてもらいたい、喜んでもらいたい、悲しませない
    という思いで生活し、心やさしく成長しました。
    生まれてくれたわが子が初めて笑った、寝返りを打った、歯が生えた、
    ことばを喋った・・・そんな些細なことが本当に嬉しく、ちょっとした言動に感動し、
    抱きしめ、褒めて育ててきた幸せな瞬間を忘れないで下さい。
    本当の幸せを知っている人は、ちょっとしたことではへこたれません。あきらめません。これからもまだまだ沢山の感動や幸せを子どもたちからもらえますよ。
    楽しみですね。見えない心の動きを評価し、これからも抱きしめ、
    褒めて育てましょう。必ず人にやさしく、幸せの種を蒔く人に育つことでしょう。 
    これからもずっと祈っています。

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