園長月のお便り
  • 愛される子に                園長  湯本 美奈子

    さくらそう さくら2
    ご入園、ご進級おめでとうございます。
    保護者の皆様が今日まで大切に育ててこられたお子さんの、
    幼稚園という社会生活が始まります。
    園生活への期待と不安はいかばかりかとお察し致します。
    どんな小さなことでも『初めて』というのは不安が付きものです。
    けれど全てのことに意味があり、その体験は将来何にも代えがたい貴重な宝となります。
    そして幼いほど、その『初めて』を活かすも殺すも私たち大人にかかっています。
    子どもたちの、純粋でキラキラ光る瞳が、もっともっと美しい輝きを放てるよう、
    保護者の皆様と協力しながら、ご一緒に育てて参りましょう。
     明日から、新入園児さんの“泣き声”が園庭に響くでしょう。
    新学期が始まった!と実感するひと時です。先生も、進級した子どもたちも口々に
    「大丈夫だよ!」「大丈夫、だいじょうぶ!」と、声をかけ、体に触れて寄り添います。
    “大丈夫”という言葉は不思議です。そう言われるだけで、なんだか安心し、
    受け入れられたような気がします。そしてよく見てみると、大丈夫という字には
    『人』という字が全部に入っています。たくさんの人に見守られて、一人ではない
    という気持ちになります。大丈夫…のことばの先には「君ならできるよ!」
    「私がついているよ!」「がんばって!」と続くような気がします。
    そう考えると、元気や勇気をもらえることばですよね。
     マリア幼稚園の教育方針は隣のページにありますように『あ・り・が・と・う』
    を通して感謝の心を育て、互いに愛し合う子どもを育てることです。
    人を愛するにはまず、十分に愛されなくてはなりません。
    親が我が子を愛しているのは当然と思われているでしょうが、
    そのことがちゃんと子どもに伝わっていないことが、往々にしてあります。
    ITや様々な普及により生活環境が変化し、楽で豊かな暮らしが送れるにも関わらず、
    大人も子どもも忙しくなりました。仕事のせいだけではありません。
    例えばスマホやパソコンに向かっているとあっという間に時間が過ぎてしまいますが、
    子どもと関わる時間はあっという間でしょうか?子どもと遊んでいるつもりでも、
    自分は他の事をしながら…の〝ながら遊び″になっていることありませんか?
    子どもの遊びを見守ったり、なりきって遊んだり、子どもの目を見て頷いたり…
    そんな当たり前の時間は今、意識しないと取れなくなってきています。
    5ヶ月になる孫も、一人寝かされて放っておかれると大きな声で呼び、
    そばに行って目を見て笑いかければ、笑い返して体中で嬉しさを表現します。
    子どもが求めている愛に応えるには、手間暇がかかり、ある時は面倒くさく、
    ある時はイライラすることもあります。けれどもその子がその子らしく、
    安心して自分を表現したり、人を信じたり、試練を乗り越えることが
    できる子に育てるには、大変で面倒なことと懸命に関わり、愛に満ちた眼差しと
    言葉をかけることが一番必要です。
    これでもかという位、抱きしめながら意識して関わってください。
    私たちも不安が安心に変わるよう、心して子どもたちと関わります。 
    一年間どうぞ宜しくお願い致します。

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