園長月のお便り
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    大丈夫 だいじょうぶ
                 園長 玉井史恵
                                   
     2022年5月、病気療養中だった私たちにとって 
    とても大切な先生が天に召されました。
    マリア幼稚園が大好きで、闘病中も
    『今日はクリスマス会だね』
    『今日は卒園式だ』『みんな頑張っているかな』
    と幼稚園のことばかり気にかけておられたそうです。
     私たちは毎朝 朝礼で当番の先生が聖書の福音を読み、
    祈りを捧げてから1日を始めていますが、
    訃報が届いてから毎朝の祈りの中で、
    その先生との思い出が語られるようになりました。 
    思い出されるのは彼女から掛けて頂いた言葉や、
    子どもへ対する接し方や、
    保育に対する思いや、夫婦げんかの愚痴話まで…。
    はじめは悲しくて悲しくて…言葉につまりながら…
    毎日涙の朝礼でした。
    私も含め先生方は思い出を語る中で、
    彼女から沢山のものをいただいていたことに気づかされ、
    悲しみでいっぱいの祈りから、
    感謝の祈りへと変わっていきました。
     三浦綾子さんの本の中に書かれていた
    『わたしたちが一生を終えてこの世に残るものは、
      生涯をかけて集めたものではなく、
      生涯をかけて与えたものである』
    という言葉を思い出しました。
    まさにこの言葉のとおり、
    彼女が私たちに与えてくださった愛が、
    先生方一人ひとりの心の中で
    生きていることを実感しました。
    そんな中皆に共通していたのは、
    どんな時も、誰にでも「大丈夫、大丈夫」と
    言っておられた言葉でした。
    ご自宅で療養中も最後まで笑顔を絶やさなかったと伺いました。
    皆に心配をかけないよう「大丈夫、大丈夫」
    をご自身も最後の時まで貫き通していたお姿が目に浮かびます。
    先生が亡くなってから、
    今までお聖堂にあまり姿を見せなかった子が
    毎日祈りにくるようになりました。
    「先生喜んでくれるかな?」と
    一生懸命摘んでくれたシロツメ草。
    悲しむお母さんに
    「先生はいつも心の中にいてくれるから大丈夫だよ」と
    声を掛けてくれたお子さん。
    子どもたちの中にも先生の愛は生きていました。
    もっともっと幼稚園で子どもたちの笑顔をみていたかったはず…
    もっともっと皆とたわいもない話で笑いたかったはず…。
    彼女から与えてもらったことを、
    残された私たちが周りの人に分け与えていくことで、
    先生が私たちと共に生きてくださることを信じて、
    彼女の分まで皆で頑張っていきます。
    訃報を受けてから、年長の子どもたちが歌ってくれた 
    ~マリア様の心~ を動画に撮って 
    子どもたちの歌で先生を天国へお送りすることができました。
    「私は大丈夫、私の家族のために祈ってね」 
    先生から託されたの最後の願いでした。
    皆でその願いを忘れずに祈り続けます。
    先生への感謝を込めて…。

                                  

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