 
2025.05.15
泣いていた子どもたちが少しずつ落ちついてくるこの頃。
そして初めは頑張って泣かずに過ごしていた子どもたちが、
ふっと力が抜けて泣けるのもまたこの頃です。
新入園児さんは、今まで家庭の中で好きなものを
自由に使って遊んでいたのに、
誰か知らない子におもちゃを取られる。
やだっていったら叩かれた!
靴を履く時「待っててあげるから頑張って」と言われる…
(待たないで手伝って欲しいのに!)
大人にとっては小さなことでも、
子どもにとって知らないこと、初めてのことは一大事。
そんな一大事が次々にやってくるのが集団生活、幼稚園です。
 さて皆さんは 『夏と言われて何を想像しますか』 
私は大好きな‘すいか, です。
他の先生にも聞いたところ 
‘暑い, ‘ひまわり, ‘プール,  ‘花火, 等皆違いました。
『それはそうでしょう 皆違って当たり前』と思いますよね。
子どもたちも同じです。
同じものを見ても聞いても感じ方は違います。
それぞれがそれぞれの思いをもっていて同じではない。
だからぶつかることもあるし、
喧嘩をして1度で納得する子もいれば、
なかなか納得できなくて解決するまでに時間のかかる子もいます。
一つのことを習得するのに さほど時間のかからない子もいれば、
何度も何度も繰り返して自分の物にする子もいます。
鉄棒や縄跳びなど「どうせできないからやらない」
と言っていたのにいつのまにかやっていた。
叩かれたと大泣きしていた子が、
「ごめんね」の一言で一瞬にして
「いいよ」と笑顔になり。
こちらの方が『えっ!?いいんだ?』と思うこともしばしば…。
いつもけんかをするのになぜかすぐにまた一緒にいる。
(少し離れていればいいのにと思うのは大人の思い?)
幼稚園は子どものいろいろな思いが行きかっています。
今月号には、4月の子どもたちの様子を見て、
今年の子ども達にとって必要な力はなんだろう、
今年の子どもたちとはどんなふうにやっていくのがよいのだろうか。
と各学年が考えたことを載せてあります。
目指している所は同じでも、
子どもの気持ちが1人ひとり違うので、たどる道も一人ひとり違います。
道が違うのでかかる時間も違います。
でもその時間を十分に保証してあげられるところが幼稚園です。
 はじめの一歩から伸びている道は1本道ではありません。
いろいろな道です。大人が望んだ道とは違うかもしれません。
大人には無駄に思える時間、登ったり下ったり、
遠回りをしながらその間に育っていくのです。
タイパ(タイムパフォーマンス)で子どもは育ちません。
どうぞそのことをわかってあげてください。
そして、じっくり子どもの気持ちを想像しながら
大人が引いた道ではなく、
子どもたちが歩む道を一緒に楽しんでみましょう。                         
園長 玉井史恵  






