園長月のお便り
  •  5月はマリア様の月です。
    昨年のマリア様の祝いの時には、
    子ども達にこんな話をしました。
    今日はマリア様のために沢山の花を
    持ってきてくれましたね。
    マリア様もとても喜んでくださっていますね。
    今ここにある花はとてもきれいだけれど、
    時間がたつと枯れてしまいますね。
    枯れてしまったらどうしましょう。
    「また持ってくる」「枯れないように水を入れてあげる」
    等々意見が出ました。
    ここにある花もとてもいいけれど、
    枯れない花もあるの「え~っ!作った花?」
    「折り紙の花?」それはね、心の中にさいた花なの
    「…?」どんな時に心に花が咲くと思う?
    「う~ん…」それはね、
    お友だちが泣いていた時にどうしたのと
    優しく声をかけてあげた時、
    一緒にやろうと仲良くできた時、
    ありがとうと言えた時、ごめんねと言えた時、
    皆が周りの人のために優しい心をつかった時、
    心の中に花がさいて、その花はずっと枯れないで咲いているの。
    1人ひとりの心の中に花が沢山咲いたら、
    心の中にいるマリア様はいつも花を見ていられるね。
    そうしたらとっても嬉しいって
    喜んでくださると思うの。
    だから5月のマリア様の月には心の中に
    沢山の花を咲かせましょうね。と。
     先日こんなことがありました。
    朝の門で『シクシク…』している妹と、
    一刻も早く部屋に行きたい兄。
    門でお母さんや先生が妹も一緒に連れていってと頼んでも、
    毎日先に行ってしまう兄…。
    (早く行きたい気持ちはよくわかります)
    ちょうど先週、その子が職員室にお祈りシールをもらいにきたので、
    『朝、妹と一緒に部屋まで行ってあげてくれないか』
    と頼んだところ、「うーん、考えてみる」と
    あまり乗り気でない返事が返ってきました。
    そこで「頭で考えないで、心で考えてみて」
    と伝えました。「わかった」と言って出ていき、
    ほどなくして戻ってくると、
    職員室の入り口でひょっこり顔を出して
    「考えた!」と一言だけ言って去っていきました。
    どう考えたのだろうと聞きたい気持ちを
    抑え翌日の朝を待ちました。
     迎えた翌朝、どんな様子だったか
    門の先生に聞いてみると、
    妹と手をつないで年少の部屋まで
    一緒に行ってくれたとのこと。
    どのタイミングで声をかけようかと思っていると、
    ちょうど当番の仕事で職員室にやってきました。
    「心で考えて、妹のために頑張ってくれたんだね。
    ありがとう」というと「面倒くさいけどね!」と
    一言残して職員室を後にしました。
    きっとそれが本音でしょう。
    でも早く行きたい気持ちと妹の気持ちの両方を考え、
    大事にした方がよいと思ったことを選んで
    行動できたことは本当にすごいことです。
    まさに心に花が咲いた時だったと思います。
     私は心で考えてと言っただけなのですが、
    それが通じたというのは彼の心が育っていたということ。
    本当に嬉しい場面に出会わせてもらえました。
     今年もマリア様の月がやってきます。
    子どもたちの素直な心に負けないように、
    私も心の花をたくさん咲かせていきたいと思います。
                  園長 玉井史恵 

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