 
2025.09.15
1学期に実習生が来ましたがその中の一人は私の教え子で
「先生にビシビシしごかれるのを覚悟できました」
と実習を頼みにきました。
(人ぎきの悪い…でも昔は皆厳しかったので無理もない…トホホ) 
懐かしい思い出話をする中で 
「よく叱られたことは覚えているけど、
なんで叱られたかは覚えていない」というので 
「年少の時はお弁当を食べたと言って、
水道の所におかずをよく捨てたよね」
「年長の時は、廊下の花瓶を落として逃げたよね。
すぐに謝れば叱られなかったのに、
逃げたから叱られたんだよね~」
などなど沢山の思い出話を聞き終えた後
「俺ってひどかったっすね」と苦笑い。
「ひどかったのではなく、気が小さかったんだよね。
そしてとっても優しかったのよ」
と伝えると「そうっすかぁ~」と今度は照れ笑い。
本人を目の前に怖かったと言い、
まるで友達のように話してるのだから
(他の実習生には到底できないでしょう)
気の小ささはなくなったのでしょうか(笑) 
実習が始まってからもずっと同級生とでも
話しているかのようだったので、
担当の先生に話し方は大丈夫かと聞くと
「きちんとした言葉で話しています」
と返答がありほっと胸をなでおろしました。(親心)
子ども達一人ひとりに寄り添って話を聞く姿からは
昔と変わらぬ優しさを感じ、
「ほらほら 自分の脱いだ靴よく見て!」
「これはダメでしょう」と
子ども達にはっきりと伝える姿からは
自信を持って臨んでいる姿を感じ、
成長した姿に出会えたことがとても嬉しかったです。 
きっとよい先生になることでしょう。
また私の甥はマリアの卒園児ですが、
幼稚園の卒園式でまっすぐ前を向いて歌えませんでした。
恥ずかしくて、いつも斜め45度を向いて歌うのです。
誰に何を言われてもできませんでした。
その彼が今では音楽の教師です。
「風の噂に先生になったと聞きましたが本当ですか」
と当時担当だったNPIC(体操教室)の先生から、
わざわざ私に電話が来たほどでしたから、
その驚き様が想像していただけるかと思います。
 2学期は1年の中で一番長い学期ですが、
子どもたちが園の中で安心して過ごせるようになり、
いろいろなことにチャレンジできるようになる時期でもあります。
運動会やクリスマス会など大きな行事もあります。
そんな中で我が子の成長した姿を見るのは親として嬉しいことですし、
どんな姿を見せてくれるか期待もすることでしょう。
でも親が思い描いた通りに成長していかないこともあります。
 一昔前は、皆と同じ目標で、同じペースで、
同じことができることが良しとされていましたから厳しさも増しました。
できるかできないかの2択の時代もありましたが、
今の教育はそうではありません。
目標はあるけれど、一人ひとりが到達するための道も早さも違います。
ですからいろいろな道を保障し
その子に合わせて成長を助けていくことが、
今求められている教育です。
だから思っていたのと違っていても大丈夫なのです。
子どもは成長する力を持っていますから。 
周囲の温かい眼差しと適切な支援があれば。     
 園長 玉井史恵






