園長月のお便り
  • うれしい贈り物                 園長 湯本 美奈子

     あっという間にカレンダーも残すところ1枚になってしまいました。早いものです。
    寒くなってきますので体調管理に心掛けていただき、家族みんなで、
    イエス様に喜んでいただけるような、心のクリスマスプレゼントを準備しながら過ごしましょう。
     
     さて、クリスマスを考えたとき、何故神様の子どもが『人』となって
    生まれてきたのだろう…?という素朴な疑問を感じる方はいらっしゃらないでしょうか?
    簡単には説明できませんし単純に納得できるものではありませんが、
    そんな問いかけに答えてくれる、とてもわかりやすく書かれている絵本に出会いました。
     
     あるところに、クリスマスを見せかけのギマンだと思っている人がいました。
    彼は家族に優しく、人に対しては誠実な人でしたが、
    『神が人間として生まれたことを喜び祝う』クリスマスの意味を一切信じられませんでした。
    「私は、偽善は嫌いだからね。なぜ神が人間になったのか、私には理解できない。
    馬鹿げているとしか思えない。」クリスマスイブに妻と子どもたちは教会に出かけましたが、
    彼は家で留守番をしていました。 
    間もなく雪が降り始め、彼は暖炉に座って新聞を読み始めました。
    すると、『ドスン!!』と大きな音が何度もしたので驚いて外に出てみると、
    鳥の一群が吹雪の中を必死に避難場所を探して、暖かそうに見える家の窓に
    ぶつかってきていたのです。鳥たちは窓の下で身を寄せ合い、うずくまっていました。
    「かわいそうに。ここで凍え死にするのを黙ってみていられないな。」
    彼は、子どもたちが馬を飼っている納屋を思い出ました。
    『あそこなら鳥たちの暖かい避難場所になる!。』彼はコートを羽織り、
    雪靴を履くと、降り積もった雪をかき分けて納屋に向かい、戸を大きく開けて
    中の電気を点けました。しかし鳥たちは入って来ません。
    「えさで誘い込めるかな?」彼は家に戻ってパンをとると、納屋の入り口に向かって
    雪の上にパンくずを撒きました。しかし鳥たちはパンくずが餌だと知るよしもなく、
    雪の中をむなしく飛び回っているばかりです。彼は力いっぱい腕を振り、
    納屋に向かって追い立てようとしましたが、近づいて来るどころか
    暖かく明かりの灯った納屋には目もくれず、ちりぢりに逃げて行ってしまいました。
    「あぁ、鳥たちの目には私は見慣れない恐ろしい生き物に映っているのだろう。
    どうしたら信用してわかってもらえたのだろう。何とか助けたかった・・・。
    ちょっとでも私が鳥になれれば、鳥たちを安全な場所に誘導できたのに・・・」
    そう思ったその時です。あちこちの教会の鐘が鳴り出しました。
    彼は無言で立ち尽くし、クリスマスの喜びを告げる鐘の音に聞き入りました。
    そして雪の中にひざを落とし、そっとつぶやいたのです。
    「今ようやくわかりました。神様、あなたが何故人間になられたのかが・・・」   
    神様の思いが分かった時、本当のクリスマスの喜びと贈り物の価値がわかります。
    人間の姿になってまでも、私たちを幸福へと導いて下さろうとした神様によって
    生かされていること、家があり、家族があり、健康で安心してすごせる場所が
    与えられていること・・・等など。神様に数え切れないほどの
    贈り物をいただいていることに感謝してクリスマスを祝い、
    来年も又神様に導かれながら生活できる一年にしてゆきましょう。

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