園長月のお便り
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    地球に優しく       園長 玉井 史恵
     
    コロナ禍になり家で過ごす時間が増えてから、
    断捨離をはじめました。痩せたら着よう、
    また流行が回り戻ってくるかもしれない、
    捨てるにはもったいないと思い、
    しまい込んであった服の多いこと。
    さてこれらの服をどうしましょう…。
    思い切って捨てるしかない。と思っていた時に、
    ファッション業界の水使用量についての番組を見ました。
    コットンのTシャツを1枚作るために必要な水は 
    2,720ℓ (1人分の飲み水3年分だそうです)
    ジーンズ1本を生産するためには最大で 
    10,850ℓ (1人分の飲み水11年分相当) 
    もの水が必要だと言っていました。
    最も水を消費する過程はジーンズの染料を洗い流す
    行程と仕上げだそうです。そして 
    『私たちが洋服を捨てる時には、それらの水も捨てている』
    ということに目を向けなければならない。
    と報道されていました。
    今まで全く考えもしなかったことでした。
    今私たちが着ている服のほとんどは輸入品です。
    安い賃金で縫製してくれる発展途上と言われる国で作られています。
    湖の水を大量に工場で使った為に湖が枯渇してしまったり、
    工場から出る化学物質で池や川が汚染されたりもしているそうです。
    『私たちは自国の水ではなく、
    他国の貴重な水をもらって、洋服を着ている』
    ということをきちんと知っていなければ、と思いました。
     話は戻りますが、番組を見た後
    『今私にできることをしなくては』と思い直し、
    捨てようと思った服をもう一度取り出しました。
    そして好きな生地の服は前々から作りたかった
    ベットカバーの材料用に残し
    (いつになったら取り掛かれることやら…)
    古着屋に持っていくもの、掃除用に使うもの、
    などに分けたところ、随分ごみ袋が減りました。
    (ゴミを焼却する時に出る、
    二酸化炭素削減にほんの少し協力できたでしょうか…)
     バーゲンセールが始まると、ついつい
    「安い時に買わないと損をする」と思ってしまうこと。
    あまり好みでないのに「きっと着ることもある」
    と割引率だけで買った服にきっとは来なかったこと。
    どこにも行かれないストレスで、スマホのボタンを
    ポチっと押してしまった、ネット購入の服が
    この1年間で増えたこと。反省することばかりの断捨離でした。
     また、自分の周りを見渡せば、洋服だけでなく、
    安くなっているからと買った食品(気が付けば賞味期限切れに)、
    新製品につられて買った日用雑貨
    (同じ用途のものがいくつもありました)
    なくてもよいものが沢山。
    もっと考えて買い物をしなくては、とこれまた反省。
    子どもたちはこの夏、水の使い方について考えていきます。
    私は目の前の水を大切にするだけでなく
    『よく考えて買い物をしよう』と思います。
    ~物を大切にするということは、
    その物に関わる国の人たちの生活をも大切にすること~  
    だと思うと、『よしやろう』という気持ちが湧いてきます。
    大きなことはできませんし、決意は容易く崩れる
    と思いますが、何もやらないよりは、
    できる時にやった方がいいにきまっていますから、
    『頑張ろう!』と『反省…』を繰り返しながら
    やっていこうと思います。 
    皆さんも子どもたちと一緒に、
    ちょっと立ち止まって水について考えてみませんか?
    小さな積み重ねが地球のためになること、
    遠くの誰かのためになることを信じて…。

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