園長月のお便り
  • サクラソウ
    3月の最終週、「今日が最後の登園です。」
    と入れ代わり立ち代わり職員室にきてくれた年長さん。
    幼稚園を去る寂しさや、小学校への希望や、不安や、
    言葉にできない心の内が子どもたちの表情に表れていました。
    『みんな頑張って!』祈りを込めてその背中を見送りました。
    別れの後にやってくるのは新しい出会い。
    年長さんが去った2日後には新しい子どもたちがやってきて、
    また賑やかな日々が始まっています。
    私の娘は幼稚園・小学校までは、
    ただただ『楽しみ、嬉しい』と
    新しい世界へ飛び込んでいきました。
    それが中学生になる時には、
    新しい出会いに不安の方が大きくなっていました。
    自分自信を振り返ってみても新しい世界に入る時は、
    『どんな人がいるのだろう、きちんとやっていけるのだろうか、
    うまくなじめなかったらどうしよう』そんな気持が
    今でも沸き上がってきます。
    保護者の皆様もお子さんに対して今そんな思いを持たれて
    いるのではないでしょうか。
    お子さんに限らずほとんどの方は、
    自分の安心できる居場所ができると
    不安が減っていくように思います。
    子どもたちにとっての安心基地は、
    生まれてすぐはご家族、
    社会生活が始まってからは、
    年齢が低いほど先生、
    年齢が上がってくると先生からお友だちや仲間へと
    変化していきます。
    春に桜が咲くためには、
    冬の寒さが必要だと言われています。
    寒さが厳しい年ほど暖かくなると
    すぐに開花するそうです。
    子どもたちの成長も桜の花と同じように
    開花までの道のりが必要です。
    4月、安心の場所を求める子どもたちがいっぱいです。
    新入園児に限らず、進級の子どもたちも同じです。
    静かな職員室に安心基地を求めてくるお子さんも
    毎年のようにいます。
    一番初めに抱っこしてくれた先生が
    安心基地になることも多くあります。
    泣くことも、安心基地を求める精一杯の表現です。
    これは誰にも代わってあげることはできない大切な時です。
    子どもたちが様々な時を超えて、
    何度も新しい出会いを繰り返しながら、
    安心基地の作り方を学び、
    どんな環境にも対応できる力、
    生きる力を身につけるために、
    ゆったりとした気持ちで見守り、
    一人ひとりの開花を待ちましょう。
    職員一同お子さんの安心基地になれるよう
    力を尽くして参りますので、
    今年度もどうぞよろしくお願いたします。
             玉井 史恵

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