2016.10.29
三つの“幸せ” 園長 湯本 美奈子
運動会は雨で翌日に延びたものの、秋晴れの好天に恵まれ、元気いっぱいの嬉しい運動会となりました。
バザーも盛況のうちに無事終わり、役員さんはじめ保護者の皆様方には、準備から当日まで
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 有難うございまいた。
最近は小春日和が続き、園庭ではボール遊びや縄跳び、砂遊び、花ミズキの種を
拾う子どもたちの歓声で賑わっています。
冬が来るまでのひと時、秋の自然に囲まれながら、園外やお庭で、元気に過ごしたいものです。
さて、先日“音の花束コンサート“が行われ、子どもたちと久々に心洗われるひと時を過ごしました。
ヴァイオリンやフルートの透き通るような音色を聴くうちに、『なんて幸せなんだろう』と
思ったとたん、涙があふれてきました。災害や事件、事故が多発する中、健康な体、
故郷、仕事、家族、友人、子どもたち…沢山の宝物に恵まれ、平和で心穏やかで、
奇跡のような時間を過ごしていることに、感謝の気持ちでいっぱいになったのです。
幸せには三つあるといいます。“してもらう幸せ”“できる幸せ”“してあげる幸せ”です。
誰でも生れた時は自分では何もできずに、全てしてもらいました。
結構、してもらう時期は長いのですが、感謝して過ごした記憶はあまりありません。
それから少しずつ自分でできるようになり、嬉しさや達成感はあっても、あまり感謝した
覚えもありません。してあげる幸せ…に関しては下手をすると、やってあげてるのに・・・
と『不平不満』『被害妄想』『ストレス』の文字すら浮かんできます。
なんて情けない人間なんでしょう。ところが最近年をとってきたせいか(悲)
涙もろくなり、ちょっとしたことに感動し、幸せを感じる瞬間が多くなりました。
子どもの頃はできて当たり前でしたし、若い頃は子育てで動き回り、仕事が大変でも、
夜寝て朝起きれば元気になっていました。毎日ボ~っとしている時時間も健康も家族も、
当たり前のようにありました。
ところが「どっこいしょ!」と口をついて言葉が出てくる頃からでしょうか?
子どもも巣立ち、腰が痛い、肩が痛い、最近は血圧まで高くなり、無理が利かなく
なってきました。そうすると、普通にできることが無性に有り難く思えるのです。
若い皆さんはしてもらった幸せをその相手に、心で、ことばで感謝しましたか?
自分でできることを神様に感謝していますか?そして、してあげる相手がいる人は、
必要とされていることを今感謝しましょう。ちょっと怪我をしたり病人が出たり、
環境が変わったりすれば、みんな沢山の人と支え合わなければ生きていけない、
小さな存在なのです。そういう当たり前のことも、少し立ち止まって考えないと、
ス~っと通り過ぎてしまいます。
3日には祖父母参観がありますが、祖父母様は子どもたちにとって、まだまだ
“してもらう幸せ”の対象です。でも私たちにとって両親は、今の幸せをずっと支えてくれた、
大切でかけがえのない存在です。
これからは、お元気なうちに“してあげられる幸せ”を噛みしめながら
ご恩返しをしてください。当日は祖父母様も孫や子どもたちに囲まれて、
きっと幸せなひと時をお過ごしいただけることでしょう。
皆様のお越しを心待ちにしております。
2016.10.01
『エールを送る』 園長 湯本 美奈子
朝晩ずいぶん涼しくなりましたが、昼間との温度差についてゆけず、体調を崩したり、
風邪を引く子が多くなっています。季節の変わり目で喘息も出やすい時期です。
かかると結構長引きますので、健康管理に注意しましょう。
さて、運動会の練習も佳境に入ってきました。園内外で、賑やかな声が響き渡っています。
運動会当日も、ご家族おそろいで楽しみにお越しください。
今年の運動会のテーマは
『できる できる 君ならできる!』 ―みんなの笑顔は金メダル―です。
今年はリオでオリンピックがあり、日本は史上最高のメダル獲得数となったようですが、
ずっと頑張ってきた晴れ舞台での真剣な表情や、仲間と抱き合って嬉しさを分かち合う姿、
うまくいかなくて悔し涙を流す姿にも、感動と勇気と元気をもらいました。
オリンピックは世界中が同じ気持ちになれる素晴らしい大会だと思います。
みんなは一人のために、一人はみんなのために・・・という思いで、幼稚園の運動会も
一緒に盛り上げていきましょう。
さて、よくこれから何かに向かう人に〝エールを送ろう!″と言いますが、
その意味を調べてみると、色々な表現があって驚きました。
応援する ・ 声援を送る
勇気づける ・ 鼓舞する
元気づける ・ 景気づける
盛り上げる ・ 勢いづける
背中を押す ・ 支援する
奮い立たせる ・ 激励する・・・まだまだあります。日本語って難しいですよね~(泣)
最近は温暖化の影響もあってか、春の運動会も多くなってきましたが、
園児たちにとっては基本的生活習慣が身につき、友だちと関わることの楽しさがわかってきた、
秋の運動会がベストだと思っています。
年少さんにとっては初めての『試練』かも知れません。
暑い、疲れる、難しい、好きなことをして遊びたい、面倒くさい・・・
だから運動会の練習は嫌い!と、登園を渋っていた子どもたちも、当日が近づくうちに
『もう一度やりたい、上手になりたい、勝つまでやりたい』という思いに変わってくるから
不思議です。先生たちが励まし、認め、思いきり褒め、時には叱り・・・(笑)
まさに「できる できる・・・○○さんなら絶対できる!」と様々な〝エール″を送りながら、
練習を積み重ねてきた結果だと思います。
頑張っている子どもたちを見ていると、オリンピックに負けないくらいの
勇気や元気や感動をもらいます。応援しながら最近はすぐに涙が出てしまうのですが、
その姿を見た子どもたちの顔つきはガラッと変わります。
それほど周りの大人から送られる〝エール″の力は大きいのです。
大人でも子どもでも、応援してもらったり、認めてもらったり、
できなかったことができるようになることは、いくつになっても嬉しいものです。
運動会は、子どもたち一人ひとりが輝き、成長する場です。
そしてその大切な瞬間に立ち会えることは、何と幸せなことでしょう。
思いきり声を出して、表情で、拍手で「できる できる 君ならできる!」とエールを送り、
こどもたち全員に金メダルを贈りましょう。