園長月のお便り
  • 花畑
    ある(・・)を尽くして                 園長  湯本美奈子

    ご入園・ご進級おめでとうございます。昨年は台風、今年はコロナウィルスと、
    穏やかに春を待ち望む…どころか慌ただしい不安な4月を迎えました。
    それでも暖かい風が吹き、水仙やパンジーが咲き始めると、
    華やいだうれしい気持ちになりますね。コロナウィルスが早く収束し、
    園生活で沢山の感動と出会えますように・・・。

     一足早く2日には保育園部門の入園式があり、今日から179名で
    新学期がスタートします。園内外で子どもたちの元気な歓声や、
    お母さんと離れがたい泣き声とが響き渡ることでしょう。(笑)
    ゆっくりしっかり育っていくよう、見守り、援助して参りますので、
    今年度も宜しくお願い致します。

     毎日当たり前に過ごしていた日々が、これほど不安定で
    不安な日々に変わることを誰が予測できたでしょう。
    マスクがなくなり、トイレットペーパーや食料品、日用品が品薄となり、
    外出自粛の影響で仕事や健康が奪われました。
    子どもたちの学ぶ場も遊び場も制限され、
    大人も子どももストレスが溜まりました。
    なくなれば欲しくなり、あっても不安でもっと欲しがり、
    十分あるから高く売る、それでも買いたい人がいる・・・
    人間の欲望にはキリがありません。
    でも、どうしても必要で大切なものはお金で買えないことにも気付きました。
    医療現場や検疫所など最前線で働く人たち、貯めたお年玉で作った
    手作りマスク612枚を寄付した中学生、メルカリで購入した布マスクに
    添えられた手書きの心温まるメッセージ『マスクが品薄でお困りのようですので
    少しですが紙マスクを同封します。個包装ではないので失礼かと思いましたが
    開けたばかりなのでよかったら使って下さい。喘息のお子様もお大事に…。』
    命がけや思いやり…の足もとにも及ばない私ですが、
    今自分にできる事を精いっぱいやることで、みんなが少しでも元気になるなら、
    物がなくても心は満ち足りるものです。ない物ねだりではなく、
    あるを尽くして無駄なく・・・です。

     春休み中、休校で毎日に飽き飽きした孫を数日間預かりました。
    一緒に洗濯物を干したりたたんだり、庭の草取りやニラを摘んでせんべいを焼き、
    クレープを作ったりパンを焼いたり…普段なら動物園とか大型スーパーとかに
    出かけてしまうのに普通に、家の中でできる事で過ごした時間は、
    私が一番癒されました。
    これからもっと大変な状況になる可能性があります。
    一番犠牲になり得るのは子どもたちです。駄々をこねるから、
    困らせるから物を買い与える。親の時間がないから早くと急かす。
    疲れたからユーチューブ。時々ならまだしも、これが続けばどう育つのか?
    言わずと知れています。辛い時こそ、『したいこと』と
    『しなくてはならないこと』の優先順位を考えて過ごしましょう。
    乗り越えることは必ずできます。もう少しの辛抱です。
    今ある健康に感謝して、できる事を一緒に頑張りましょう。

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