園長月のお便り
  • 11・12月号 『良い知らせのために』     園長 湯本美奈子

    色づいた葉っぱ

     これからまだ11月ですが、様々な行事が中止となってしまったので、
    少し気が早いですがクリスマスに向けてのお話にしたいと思います。
     以前カトリック全国園長研修会の折、『幼稚園経営は難問が山積しているのに、
    何故苦労してカトリック教育を行うのか?』という問いに答えて神父様が
    『子どもたちに福音(ふくいん)を知らせるため』とおっしゃいました。
    福音というのは、聖書の、〝ためになる教え″ではなく
    〝幸福な“音信”…世界に知らせる良い知らせ″である と言われました。
    子どもたちにとって、これから生きていく世界は大変かもしれないけれど
    『心配しなくてもいいよ。大丈夫、大丈夫。』と寄り添って下さるフレンドリーな神、
    イエス・キリストがおられることに気付かせること。
    私たちはその使命のために働くのだと言われました。
    まさにクリスマスは神が人となって来てくださった最高の良い知らせです。
    神は私たちの慰め手であり愛の方で、私たちが今の自分から
    もっと良い方向に変っていくことをいつも願っておられる方です。
     私事ですがステイホーム中、娘が母の日のプレゼントにといって
    アップルTVを買ってくれました。見る時間なんてない!と思っていたのに、
    ご多分に漏れず世のおばちゃんたち同様『韓流ドラマ』にハマって、
    楽しくも寝不足な日々を過ごしています。(笑)
    そんな時、ファンと一緒に『分かち合い活動』を立ち上げ、
    最初の取り組みとしてアフリカの井戸掘り事業に5万ドルを寄付した
    韓国の俳優の記事を目にしました。
    高い会費を払って自分への見返りを求めるのではなく、
    好きな人が喜ぶことを喜んで行うことで、他の誰かが喜ぶ。
    ちょっとしたきっかけで喜びと幸福の連鎖が生まれることに、
    そんなミーハーなら悪くないな~と思ってしまいました。
    自分や親しい人のためにお金や労力を使うのは容易いですが、
    見たこともない人に心を馳せて一歩を踏み出すにはきっかけも必要です。
    そのための待降節にしたいと思いました。
    昨年は台風19号で被災された方への貯金をしました。
    今年はコロナで大変だったとは言え、日本とは比較にならない発展途上国があります。
    水も石鹸も消毒も、そもそも衛生習慣もありません。
    日本でマスクが高騰した時は1枚100円でも買ったことを思えば、
    その分を世界の兄弟たちに、少しでも届けられないでしょうか?
    神父様は続けておっしゃいました。
    「直接行って助けることはできなくても、
    助けようとしている人を助けることはできる」と。
    一人ひとりの力はささやかでも、思いを繋げば形になって
    沢山の人々の助けになれるかも知れません。
    自分の欲をちょっと我慢することにチャレンジし、
    イエス様が喜ばれるクリスマスプレゼントを準備していきませんか。
    私は待降節の1か月、30個チーズケーキを焼いて、
    募金に協力してくださる皆さんにプレゼントしようと思います。
    喜んでいただけることを楽しみに、その思いが兄弟たちに届くのを楽しみに、
    クリスマスまで過ごします。

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