園長月のお便り
  • てるてるぼうず
    生活を見直す                      園長  湯本美奈子

     年度末から入園式、それ以降もずっとコロナウィルスに振り回される日々で、ストレスが溜まりますね。
    長かった自粛から徐々に解放されつつありますが、まだまだ油断はできません。
    一番心配なのは症状が自覚できない子どもたちです。手洗い、うがい、消毒など大人がしっかり管理して、
    子どもたちを守っていきましょう。子どもは家族と一緒に過ごす時間が多かったので嬉しかったでしょうが、
    大人はいつまで続くかわからない休園や休校、仕事がなくなったり、一つ部屋にずっと顔を突き合わせることで、
    イライラしたり疲弊した人も多いでしょう。寝不足やリズムを崩し、
    体の不調をきたした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
    これから夏に向かい、もっと暑い日が続きます。運動不足で動きが鈍った大人も子どもも、
    意識して、今までの生活リズムを取り戻しましょう。
    連休中巣ごもり状態だったので、断捨離をしたり整理をしたら、
    こんなにも物が沢山あったことに気づきました。いつか使う、何かに使うと思いながら、
    取っておいたことすら忘れてしまっていたものも・・・。もったいない限りです。
    でも食べ物に関しては、『賞味期限は私の舌が決める!』的な論理で、戸棚に眠っていた材料を駆使し、
    しばらく買い物に行かずに過ごせました。 おすすめはできませんが、結構大丈夫なものです。(笑)
    そもそも、貧しかった時代は物や場所に頼らず、工夫して家族で関わりながら楽しみを見つけたものです。
    以前食育の第一人者である服部幸應先生が「日本の教育が崩れ始めたのは、家庭の食育が崩れたからだ」
    と話されました。食卓で食事しながらマナーを教わり、お箸の使い方や食べ方を教わり、
    食事の量や好き嫌いを把握し、学校や友だちの話をする。おいしいと共感したり、育てた野菜を味わったり、
    おふくろの味を噛みしめる機会が食卓であり、家族の会話の中に、家庭という温かさや味わいや教育の場があったと。
    今は豊かになって何でもすぐ手に入る代わりに、作ることにも食べることにも『時間をかける』ことが少なくなりました。
    育てることに至っては、もはや皆無の家庭も多いでしょう。
    一人ひとり自分の食べたい物を勝手な時間に食べる。(個食)
    一人で食べる(孤食)
    決まったものしか食べない(固食)
    パン、パスタ、ラーメンなどを好んで食べる(粉食)
    食欲がなく少食(小食)
    味の濃いものを好む(濃食)
    の6つの(コ食)
    おふくろ(母)の味がレトルトなどのお袋の味・・・
    そんな家庭の味や会話や交わりがなくなったことから、荒れる子ども、キレる子どもに変貌し、
    自分勝手で好き勝手な行動をとる日本人になってしまったのだとも話されました。
     今回6月号は、食育がテーマです。裏の畑は地主さんのおかげで全面使用できることになり、
    時間をかけて、世話をして、よく見て気付いて、感動とともに命を育て、
    いただくことの有難さと美味しさを味わいたいと思います。
    コロナを契機に自分たちの生活を見直し、何か一つでも変れることができれば幸いです。
    喉元過ぎれば熱さをすぐに忘れてしまいますから・・・(泣)。
    時間を作る?テレビを止める?スマホを隠す?物を育てる?物を買わない?
    一緒に作る?ゆっくり味わう?何でもいいです。 続けましょう。
    親が子どもに与えられる宝物は、今こそまさに“物より思い出”・・・ですから。

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