園長月のお便り
  • han0205-049[1]

    入園から1カ月、

    新入園のこどもたちも毎朝、

    御像の前で「イエス様マリア様おはようございます」

    と手を合わせています。各お部屋でも朝の祈り、

    昼の祈り、帰りの祈り 一日の中で様々な祈りがあります。

    また年長さんは毎日のようにお聖堂にきて、

    食べ物のないお友だちの為に祈ったり、

    休んでいるお友だちのために祈ったり、

    自分のことよりも、

    周囲の人のために祈ってくれる姿がとても多く、

    やはり神様の一番近くにいるのは

    こういう子どもたちなのだなと感じています。

    日本人は生まれた時は神社で、

    結婚式は教会で、お葬式はお寺で、

    本当の信仰はどこにあるのか

    という記事を目にしたことがあります。

    日本にも沢山の宗教がありますね。

    我が家も、私の祖母は天理教を信仰していて、

    叔父はプロテスタントの牧師で、

    私はカトリックです。

    そんな中、娘が小学生の時、

    『どうしていろいろな神様がいるの?どの神様がいいの?』

    と聞いてきました。

    返答に困った私は当時お世話になっていた

    清永神父様にそのまま問いかけました。

    神父様は『山登りを想像してみて、

    頂上に行くために道は一つではないでしょう。

    いろいろな道を通って頂上を目指していくのと同じだよ。

    いろいろな宗教の道を通っても、

    たどりつく神様は一人なんだよ』とお話してくださり、

    とても腑に落ちました。

    だから子どもたちも家の仏壇や神社やお寺で

    「父と子と…アーメン」と祈ってもいいのです。

    神父様の話をいろいろな時にお聞きするのですが、

    「カトリックでは祈りは

    すぐに結果が表れるものではありません。

    今私たちが生かされているのは、

    ずっと昔に祈った人の祈りのお陰かもしれません」

    という話がとても心に残っています。

    またある神父様は

    「祈る前から神様は私たちの心の中をご存じです。

    だから素直に祈れない時はそのままの

    自分の気持ちを神様にぶつけていいのです」

    とも言われました。この言葉も私の心を楽にしてくれました。

    そして「私たちは神様のご計画の中で

    生きているので、自分の思い通りにならないことも

    沢山あります。でもそれは神様が、

    今私に必要なこととして与えてくださっているものです。

    だからこの困難や苦しみを取り除いてください。

    と祈るよりも

    『困難を乗り越える力を与えてください』

    『私が苦しみを乗り越えられるように、一緒にいてください』

    と祈りましょう」と話されました。

    この言葉もまた私の支えになっています。

    苦難に直面した後、ずっとずっと後になって、

    あの時の経験が役にたったと思ったことはありませんか。

    私はそういうことが沢山あります。

    今私たちが経験していることに

    なにひとつ無駄なことはないのだと感じています。

    それは子どもたちにとっても同じです。

    今新しい環境の中で

    不安な気持ちを抱えているお子さんもいますが、

    新しい環境に慣れようと毎日一生懸命過ごしています。

    このような小さな山を乗り越えながら、

    様々な環境に適応する力が育っています。

    この状況を取り除いてくだいと祈るのではなく、

    子どもたちに変化を乗り越える力を与えてください。

    私に子どもを支える力を与えてください。

    と一緒に祈っていきましょう。

    園長 玉井史恵

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