2019.03.01
自分のために祈る 園長 湯本 美奈子
年末から年明けも、今年は雪が少ない暖冬で本当に有難いです。
ご不便をおかけしていますが、お陰様で御聖堂工事も順調に進み、
だいぶ形になってきました。出来上がるのが楽しみですが、
3月初めの引き渡し後に新しい環境で過ごすのもつかの間、
じきに卒園式になってしまいますね。何とも、嬉しくも寂しい今日この頃です。
お正月遊びとともに2月の保育参観に向けて、個人や協同の製作が始まりました。
様々な体験を通して成長した、意欲的で想像力豊かな子どもたちが逞しく見えます。
話し合ったり、失敗したりしながら創意工夫し、協力して出来上がった作品を
楽しみにしていて下さい。
さてこの1年、成長したわが子を見るのは、親として本当に嬉しいことですが、
どうぞ是非『よく頑張って育てました。私!!』と自分を褒めてやって下さい。
子育ては、衣食住を満たすだけなら簡単です。ところが心を育てるに関しては
、面倒で時間がかかり、正解がなく、機械に頼れない何と難問なことでしょう。
親は常に我が子にとって最良のものを与えようとします。時として、
様々な試練も与えます。けれど時々、子どもにとってこれでいいのか?
本当に善いものなのか?と心配になることが、私の子育てではよくありました。
少し前になりますが、私が買い物に行って駐車場に車を止めると、
隣の車の助手席で2~3歳の女の子が大声で泣いていました。
眠っていたので置いていかれたのでしょうか?ロックされていたので、
「お母さんいないの?大丈夫だよ、待ってて。今探してくるから」と声をかけ、
店内放送をお願いしました。なかなか見つからず、お店の方も出てきて
一緒に心配して待っていました。ようやくお父さんが走って来たので
「よかった~。ずいぶん泣いていましたよ。」と声をかけると一言。
「おばさんを見たから泣いたんじゃないの~?」・・・。
『ハァ?!(怒)』という感じ!
胸の奥から沸々と怒りが湧き上がってきました。
『それはないでしょう!すみませんでした、とかありがとうでしょう!』
と思いましたが何も言えず、黙って店内に入りましたが、なかなか気持ちが収まりません。
そのうちに『あんな親に育てられたらどんな子に育つんだろう!』とか
『ひとことガツンと言ってやれば良かった!』とか、
悪い思いはどんどんエスカレートしていきます。
でもそのうちに落ち着いて考えると『あぁ~ぁ、あれは私の価値観で、
私の思いが先行していたから腹が立ったんだなぁ…』と思いました。
『当然、お礼を言ってもらえる』ものと思っていた自分の傲慢さ。
そのお父さんは若くて、もしかしたら恥ずかしくて“ノリ”で
答えてしまったのかもしれない。女の子に一言「良かったね、もう大丈夫だよ」
と声をかけてあげればよかった。・・・
など色々考えて自己嫌悪です。
あの時自分の感情で、思ったことをすぐ口にしないで良かったと思いました。
ことばは思いによって発せられます。私は弱い、ダメな人間ですから
悪いことを考えてしまうのは仕方ないにしても、気を付けていないと
つい言葉に発して、知らず知らずに親子でも、夫婦でも、周りの人を傷つけてしまったり、
良い悪いに関わらず自分の価値観を優先してしまうことが多々あります。
だからこそ、祈りは大切です。祈りは自分を見つめて、
自分を振り返ることのできる時間です。謙遜で穏やかで、
感謝に満ちた自分でありますようにと祈りましょう。
そうなれないとしても(悲観的?)そんな人になれますようにと祈り続ける人は、
きっと素敵なお母さんになること間違いありません。
神様が必ず導いて下さいます。卒園しても神様を忘れないで、
祈りながら生きる人となって下さい。卒園児にとっても在園児にとっても、
来年度が楽しく豊かに恵み多い年となりますように。
一年間ありがとうございました。