園長月のお便り
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    三つの“幸せ”                    園長  湯本 美奈子
     
     運動会は雨で翌日に延びたものの、秋晴れの好天に恵まれ、元気いっぱいの嬉しい運動会となりました。
    バザーも盛況のうちに無事終わり、役員さんはじめ保護者の皆様方には、準備から当日まで
    本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 有難うございまいた。
     最近は小春日和が続き、園庭ではボール遊びや縄跳び、砂遊び、花ミズキの種を
    拾う子どもたちの歓声で賑わっています。
    冬が来るまでのひと時、秋の自然に囲まれながら、園外やお庭で、元気に過ごしたいものです。
     さて、先日“音の花束コンサート“が行われ、子どもたちと久々に心洗われるひと時を過ごしました。
    ヴァイオリンやフルートの透き通るような音色を聴くうちに、『なんて幸せなんだろう』と
    思ったとたん、涙があふれてきました。災害や事件、事故が多発する中、健康な体、
    故郷、仕事、家族、友人、子どもたち…沢山の宝物に恵まれ、平和で心穏やかで、
    奇跡のような時間を過ごしていることに、感謝の気持ちでいっぱいになったのです。

     幸せには三つあるといいます。“してもらう幸せ”“できる幸せ”“してあげる幸せ”です。
    誰でも生れた時は自分では何もできずに、全てしてもらいました。
    結構、してもらう時期は長いのですが、感謝して過ごした記憶はあまりありません。
    それから少しずつ自分でできるようになり、嬉しさや達成感はあっても、あまり感謝した
    覚えもありません。してあげる幸せ…に関しては下手をすると、やってあげてるのに・・・
    と『不平不満』『被害妄想』『ストレス』の文字すら浮かんできます。
    なんて情けない人間なんでしょう。ところが最近年をとってきたせいか(悲)
    涙もろくなり、ちょっとしたことに感動し、幸せを感じる瞬間が多くなりました。
    子どもの頃はできて当たり前でしたし、若い頃は子育てで動き回り、仕事が大変でも、
    夜寝て朝起きれば元気になっていました。毎日ボ~っとしている時時間も健康も家族も、
    当たり前のようにありました。
    ところが「どっこいしょ!」と口をついて言葉が出てくる頃からでしょうか?
    子どもも巣立ち、腰が痛い、肩が痛い、最近は血圧まで高くなり、無理が利かなく
    なってきました。そうすると、普通にできることが無性に有り難く思えるのです。
     若い皆さんはしてもらった幸せをその相手に、心で、ことばで感謝しましたか?
    自分でできることを神様に感謝していますか?そして、してあげる相手がいる人は、
    必要とされていることを今感謝しましょう。ちょっと怪我をしたり病人が出たり、
    環境が変わったりすれば、みんな沢山の人と支え合わなければ生きていけない、
    小さな存在なのです。そういう当たり前のことも、少し立ち止まって考えないと、
    ス~っと通り過ぎてしまいます。
     3日には祖父母参観がありますが、祖父母様は子どもたちにとって、まだまだ
    “してもらう幸せ”の対象です。でも私たちにとって両親は、今の幸せをずっと支えてくれた、
    大切でかけがえのない存在です。
    これからは、お元気なうちに“してあげられる幸せ”を噛みしめながら
    ご恩返しをしてください。当日は祖父母様も孫や子どもたちに囲まれて、
    きっと幸せなひと時をお過ごしいただけることでしょう。
    皆様のお越しを心待ちにしております。

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