2018.05.01
『愛おしい時間』 園長 湯本 美奈子
入園から半月が過ぎました。子どもたちは、新しい環境や先生や友だちの中で一生懸命頑張っています。
風も日差しも草花も、そんな子どもたちを応援しているかのように心地よく、一年でもっとも美しい季節を迎えます。
5月は『聖母月』として、マリア様に倣う月として奨励しています。
マリア様はイエス様のお母さんですが、私たちみんなのお母さんでもあります。
大好きなお母さんを思い浮かべながら、マリア様への思慕を深めて参りましょう。
さて、NHKの『チコちゃんに叱られる』という番組をご存知ですか?改めて聞かれると知らないことが多く、
答えられないと「ボ~っと生きてんじゃね~よ!」と自称5歳のチコちゃんに叱られるのです。
ポン酢のポンは何のポン?とか、行ってらっしゃ~いと言うときに何故手を振るの?とか、
ショートケーキってどんなケーキ?など、「へぇ~!」と思うことが沢山あって毎週楽しみに見ています。
その中で、親と過ごせるのはあと何時間?という質問がありました。
番組内での回答は、親と同居していない大人の場合、あくまで平均ですが1年間で親と会えるのは6日間だそうです。
寝ている時間もあるので時間にすればもっと少ない。私の父は今年90歳になったので平均寿命を大幅に超えていて…
そう考えるといつ会えなくなるか分かりません。また今度…なんて思わないで、
ちょいちょい顔を見せに行こうと思います。
番組では「子供と過ごせる生涯時間」も発表していました。母親が7年6ヶ月。
父親は3年4ヶ月。まさか~!それっぽっち?と思いましたが、確かに幼稚園に入園する頃から
会っている時間が急激に減ります。そしてその貴重な時間の32%が卒園までに、55%が小学校卒業までに、
高校卒業までには73%が終わってしまうとのこと。幼稚園までは、どこへ行くにも何をするにも一緒だったけれど、
小中学校へ進むにつれて、一人でも大丈夫な場面が増え、親とではなく友達といるようになってきます。
親もだんだん関心が薄れていくのか、息子の高校の授業参観に行ったら、誰も見に行っていなくて、
恥ずかしい思いをしたことを思い出しました。大学生活なんて話を聞くことくらいで実感がありませんでしたし、
頼りにされるのは金銭的な援助?・・・ともあれ、何を言いたいかというと、我が子といられる今この時は、
愛おしい宝物の時間で、あっという間になくなってしまう、かけがえのないものだということです。
先日娘が1歳半の孫の動画を送ってきました。悪いことをしたのに絶対に謝らず、大泣きして抵抗する孫!
娘も負けずに戦っています。私も自分の子育てを思い出し、キラキラとまぶしいくらいの幸せな動画でした。
当たり前な普通の時間。でもそれを与えてもらえるのは母親の特権です。
そして残念なことに、世のお父さん方は母親の半分しか子どもと関わる時間がないのですから、
意識して時間を作り、濃厚に(笑)過ごしましょう。
私たちのお母さんであるマリア様が今の世に生きておられても、イエス様の時と同じように
一生懸命自分の仕事をしながら、自分の思いではなく『この子がよく育つための道具にして下さい』と
祈りながら子育てをなさるでしょう。
私たちも、この子にふさわしい母親、父親になれますようにと、祈りながら過ごしましょう。