園長月のお便り
  • ききょう
    今できること!本気で、本気で頑張るぞ!        園長  湯本 美奈子

     殺人酷暑とまで言われた記録的な暑さのこの夏。外に出て息をするのも苦しいほどで、
    セミさえも日中は暑すぎて鳴きませんでした。西日本豪雨や台風の影響で
    被害に会われた皆様はどれほど大変な夏だったことでしょう。心よりお見舞い申し上げます。
    7月に行われた家族の日のバザー等、保護者様のご厚意は全額広島教区に献金させていただきました。

    御聖堂も無事解体撤去が終了しました。9月4日には理事長の林健久神父様による新園舎建築の
    土地祝福式(地鎮祭)が執り行われ、運動会終了後からは鉄骨の組み立て工事が始まります。
    今後も事故や怪我なく工事が進みますようお祈りいただくとともに、
    登降園時の安全には十分ご注意いただきますようお願い申し上げます。

     さて、まだまだ暑い日が続きますが、例年より一週間早い9月29日に運動会があります。
    お暑い中環境整備をしていただいたお蔭で、気持ちの良い園庭で練習することができます。
    本当に有難うございました。
    今年のテーマは『今できること!本気で、本気で頑張るぞ!』です。
    子どもたちの今の姿、伸ばしたい力、育てたい心…様々考慮してこのテーマになりました。
    180人近い子どもたち一人ひとりの力は全部違い、運動や表現の得手不得手もあります。
    できないこともあります。運動会当日はみんな揃って、間違えないようにビシッと決める!・・・
    それは目的ではありません。小さい子どもですから、練習はちゃんとできていても
    当日グダグダになることもあります。いつもは速くても当日転ぶことだってあります。
    急に発熱したり、水疱瘡にかかってお休みする子もいました。それに子どもたちにとっては
    楽しみでもありますが、やりたくない、幼稚園に行きたくない病を患うこともあります。
    元気に喜んで運動会に参加できる!それだけで十分な奇跡です。
    健康管理はもちろんのこと、今その子ができること、少し頑張ればできるようになることを
    大人がちゃんと見つけて、自分でも分かって、本気で頑張ることが大事です。
    何をどこまで頑張るのか、本気ってどんなことか、クラスのみんなと一緒に考えながらやっていく。
    それが大事です。できないことができるようになったり、挑戦したり、負けたり勝ったり、
    励ましてもらったり、褒めてもらったり。そんなことの繰り返しで、みんな強く逞しくなっていきます。
    みんなと同じことができるようになるのではなく、みんなと一緒にやることが楽しいと
    思えるような運動会になればいいなぁと思います。
     
     運動会は明治頃、『競闘遊戯』という名称で始まったそうです。軍事色が強く、
    障害物競争は俊敏な動きと判断力で前戦を駆け抜ける力を、綱引きは大砲を引く力を、
    玉入れは手りゅう弾を投げる力加減を身につける為のものだったとか・・・。
    優秀な兵士を育てるためのものだったのです。そう考えると今の運動会は、本当に幸せだなぁと思います。

     秋の運動会は、少しずつできることが増えてできることの嬉しさを感じ、
    自分だけの遊びから友だちと関わる面白さを覚え、一つのことをみんなでやろうと
    努力する力が付き始めるちょうどいい時期です。
    我が子が練習の過程で見せる様々な表情やことばに、親も本気で耳を傾け、心を配り、
    成長を感じながら当日を楽しみに応援しましょう。
    子どもも親も先生も『今できること!本気で、本気で頑張るぞ!!』です。

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