園長月のお便り
  • Tulips
    桜梅桃李のように               園長  湯本美奈子

     ご入園・ご進級おめでとうございます。
    ようやく春の暖かい日差しになり、新学期と共に又子どもたちの
    元気な歓声が聞こえることを心から嬉しく思っています。
    聖堂増改築工事も終わり、広くて新しい、使い勝手の良い環境が整いました。
    のびのびと楽しい園生活を送ってほしいと願っています。
    一年間どうぞ宜しくお願い致します。
     さて、春を代表する花『桜・梅・桃・李(すもも)』で、
    〝おうばいとうり″とか『桜梅桃季(季節)』〝おうばいとうき″
    ということばがあります。桜も梅も桃も李(すもも)もそれぞれの美しさと
    咲く時期があり、互いに相手をうらやむことなく、自分の時に精一杯花を咲かせる。
    だから美しい…というような意味です。自然の中でもとりわけ人間は、
    神様が最も愛されて創られたものなのに、時々その基本的な生き方を忘れてしまいます。
    人を羨んだり、自分を卑下したり・・・。桜梅桃李に限らず、花も動物も
    みんな与えられた場所で自分らしく精一杯生きています。
    神様がそのように創ってくださったからこそ、どんな小さなものにも、
    心打たれる美しさや、けなげさがあるのです。子どもたちにもその子らしく、
    その時々にふさわしい花を咲かせられるようにゆっくり見とり、
    育てていけるよう努めて参りたいと思います。
     元号が『令和』に変わり10月からは幼児教育無償化が始まります。
    新しい時代の幕開けですが、これからはもっと社会情勢も変化し
    人間関係も複雑化してくるでしょう。それでもマリア幼稚園の基本理念である
    『私があなた方を愛したように、あなた方も互いに愛し合いなさい』
    と語られたイエス様の思いを受け継ぎ、育て、そのように生きることで、
    子どもたちはどんな困難にも負けない『愛』の人に育っていくことを信じています。
    純粋な心を持った子どもたちはまだ幼いので、
    何もわからないと思われるかもしれませんがちゃんと理解できるし、
    良く覚えています。すでに成人した長男は、以前誕生会の話をしたとき、
    「あの時は香代先生(担任でした)がなんだか急いでいてね、僕はまだ
    何になりたいか、はっきり決まってなかったのに、警察官?サッカーの選手?
    野球の選手?と矢継ぎ早に聞かれてさぁ、ついサッカーの選手って言っちゃったんだよね。」
    とか姪っ子に「クリスマス会は天使なの?僕は星だったんだよ」とか
    「御聖堂で100匹の羊探しをしたのを覚えてる。」とか、
    その他にも沢山の思い出を話してくれました。そしてそれは、
    ちゃんと彼の生き方や価値観にもつながっています。
    小さい頃の思い出。楽しいことも悲しいことも含めて、いつどこにいても守り、
    愛し、支えてくださる神様と共に過した幼児期の思い出は、お金には換えがたい宝物です。
    桜梅桃李のように、神に愛されている子どもとして、楽しいことも悲しいことも、
    全部宝物にできるような思い出作りの1年になりますよう、
    職員一同心して保育させていただきますので、保護者様のご協力とご支援を、
    どうぞ宜しくお願い致します。

  • 自分のために祈る                 園長  湯本 美奈子
     年末から年明けも、今年は雪が少ない暖冬で本当に有難いです。
    ご不便をおかけしていますが、お陰様で御聖堂工事も順調に進み、
    だいぶ形になってきました。出来上がるのが楽しみですが、
    3月初めの引き渡し後に新しい環境で過ごすのもつかの間、
    じきに卒園式になってしまいますね。何とも、嬉しくも寂しい今日この頃です。
    お正月遊びとともに2月の保育参観に向けて、個人や協同の製作が始まりました。
    様々な体験を通して成長した、意欲的で想像力豊かな子どもたちが逞しく見えます。
    話し合ったり、失敗したりしながら創意工夫し、協力して出来上がった作品を
    楽しみにしていて下さい。
    さてこの1年、成長したわが子を見るのは、親として本当に嬉しいことですが、
    どうぞ是非『よく頑張って育てました。私!!』と自分を褒めてやって下さい。
    子育ては、衣食住を満たすだけなら簡単です。ところが心を育てるに関しては
    、面倒で時間がかかり、正解がなく、機械に頼れない何と難問なことでしょう。
    親は常に我が子にとって最良のものを与えようとします。時として、
    様々な試練も与えます。けれど時々、子どもにとってこれでいいのか?
    本当に善いものなのか?と心配になることが、私の子育てではよくありました。
    少し前になりますが、私が買い物に行って駐車場に車を止めると、
    隣の車の助手席で2~3歳の女の子が大声で泣いていました。
    眠っていたので置いていかれたのでしょうか?ロックされていたので、
    「お母さんいないの?大丈夫だよ、待ってて。今探してくるから」と声をかけ、
    店内放送をお願いしました。なかなか見つからず、お店の方も出てきて
    一緒に心配して待っていました。ようやくお父さんが走って来たので
    「よかった~。ずいぶん泣いていましたよ。」と声をかけると一言。
    「おばさんを見たから泣いたんじゃないの~?」・・・。
    『ハァ?!(怒)』という感じ!
    胸の奥から沸々と怒りが湧き上がってきました。
    『それはないでしょう!すみませんでした、とかありがとうでしょう!』
    と思いましたが何も言えず、黙って店内に入りましたが、なかなか気持ちが収まりません。
    そのうちに『あんな親に育てられたらどんな子に育つんだろう!』とか
    『ひとことガツンと言ってやれば良かった!』とか、
    悪い思いはどんどんエスカレートしていきます。
    でもそのうちに落ち着いて考えると『あぁ~ぁ、あれは私の価値観で、
    私の思いが先行していたから腹が立ったんだなぁ…』と思いました。
    『当然、お礼を言ってもらえる』ものと思っていた自分の傲慢さ。
    そのお父さんは若くて、もしかしたら恥ずかしくて“ノリ”で
    答えてしまったのかもしれない。女の子に一言「良かったね、もう大丈夫だよ」
    と声をかけてあげればよかった。・・・
    など色々考えて自己嫌悪です。
    あの時自分の感情で、思ったことをすぐ口にしないで良かったと思いました。
    ことばは思いによって発せられます。私は弱い、ダメな人間ですから
    悪いことを考えてしまうのは仕方ないにしても、気を付けていないと
    つい言葉に発して、知らず知らずに親子でも、夫婦でも、周りの人を傷つけてしまったり、
    良い悪いに関わらず自分の価値観を優先してしまうことが多々あります。
    だからこそ、祈りは大切です。祈りは自分を見つめて、
    自分を振り返ることのできる時間です。謙遜で穏やかで、
    感謝に満ちた自分でありますようにと祈りましょう。
    そうなれないとしても(悲観的?)そんな人になれますようにと祈り続ける人は、
    きっと素敵なお母さんになること間違いありません。
    神様が必ず導いて下さいます。卒園しても神様を忘れないで、
    祈りながら生きる人となって下さい。卒園児にとっても在園児にとっても、
    来年度が楽しく豊かに恵み多い年となりますように。  
     一年間ありがとうございました。

  • 『聖家族』                          園長  湯本 美奈子
     早いもので、あとひと月余りで1年が終わってしまいます。早いものですね。        22日はクリスマス会です。インフルエンザや胃腸炎などが広がらず、
    無事に揃って当日を迎えることができるよう、健康管理はもちろん精神面でも
    子どもたちを温かく見守り、応援しながら過ごして下さい。
     さて、クリスマスのすぐ後の日曜日(30日)は『聖家族』
    (ヨゼフ・マリア・イエス)の祝日です。クリスマスは毎年世界中でお祝いしますが、
    その後はすぐ大晦日…。日本人は慌ただしく過ごしてしまいますね。
    そこで少し考えてみましょう。ヨゼフとマリアの新生活は、凡人の基準や
    価値観で考えれば、幸せとは程遠い想像を絶する不安や苦難の連続でした。
    ヨゼフは自分の子でもない聖霊によって身ごもったマリアを連れて旅に出なければならず、
    宿屋は満員で、火の気のない粗末な馬小屋で出産を迎えました。
    休む間もなく主の使いがヨゼフの夢に現れ、
    「起きよ、幼子と母を連れてエジプトに逃げよ」と告げます。
    マリアも、床(とこ)上げまで安静にとか、産後の肥立ちどころの騒ぎではありません。
    東の博士たちの来訪によって、真の王の誕生を知ったヘロデ王がベツレヘムと
    その地方全体にいる2歳以下の男の子をことごとく殺すよう命令を出したからです。
    又また長い旅を強いられました。赤子を連れて、どれほど大変な旅だったことでしょう。
    けれども神さまは、どんな苦難にも、必ず道を示して下さいました。
    そして何よりヨゼフもマリアも神を信じる『祈りの人』でしたから、
    常に従順で、感謝に満ち溢れながら家族寄り添って生活していたのでしょう。
     ミサの説教で神父様が自分の4~5歳頃の話をして下さいました。
    積み木に熱中して遊んでいた時、友だちが外で遊ぼうと誘いに来たので
    外に飛び出して行こうとした瞬間、お母さんが積み木を片づけてから行くよう声を掛けます。
    けれど神父様は「帰ったら片づける!」と言って聞きません。
    お母さんは「それなら積み木はストーブで焚いてしまうよ」と言うのですが、
    どうせ焚くはずがないとたかをくくって、遊びに出てしまいます。
    帰ってきて見ると、すっかり積み木は片付いて跡形もなく、
    石炭ストーブが勢いよく燃え盛るばかり。神父様が「積み木は?」と聞くと
    「あぁ、ストーブで燃やしちゃったわよ!」とひと言。
    まさか本当に焚くとは思っていなかった神父様は愕然とし、
    泣くことすらできずにストーブを見つめていました。
    その様子を見たお母さんは「本当に大切なら、神様にどうか許して下さい。
    積み木を返して下さいと祈ってみなさい。」と言いました。
    それから神父様は、毎日寝る前に布団の前で正座し「神さまどうか私を許して下さい。
    大切な積み木を返して下さい。」と何日も祈り続けたそうです。
    そしてついにある朝起きてみると、まだ火の付いていない石炭ストーブの上に
    きちんと箱に入った積み木が置いてあったそうです。
    神父様はその時の光景を『奇跡を目の当たりにした』と表現されていました。
    「司祭としては母のとった行動は間違っていると思う。
    祈りは必ず叶えられるものではないのだから。けれども私は、
    その時生れて初めて心から真剣に祈った。母のとった行動は、
    心からの祈りを教えるには正しかったと思う」と話されました。
     「神は神なりの思いで私たちに最善と思うものを、もたらす」と
    神父様がおっしゃるように、自分の願いとは違っても、
    神さまからの答えに気付く力を与えられるよう祈りましょう。
    聖家族がそうであるように、神父様がそうであったように、
    家族や親子のような身近な関係の中で、祈りは深く育っていきます。
    来年も聖家族に倣って信頼し合い、愛し合い、尊敬しあいながら
    沢山祈って過ごしましょう。
    クリスマスのやさしさカードを楽しみにしています。

  • ききょう
    今できること!本気で、本気で頑張るぞ!        園長  湯本 美奈子

     殺人酷暑とまで言われた記録的な暑さのこの夏。外に出て息をするのも苦しいほどで、
    セミさえも日中は暑すぎて鳴きませんでした。西日本豪雨や台風の影響で
    被害に会われた皆様はどれほど大変な夏だったことでしょう。心よりお見舞い申し上げます。
    7月に行われた家族の日のバザー等、保護者様のご厚意は全額広島教区に献金させていただきました。

    御聖堂も無事解体撤去が終了しました。9月4日には理事長の林健久神父様による新園舎建築の
    土地祝福式(地鎮祭)が執り行われ、運動会終了後からは鉄骨の組み立て工事が始まります。
    今後も事故や怪我なく工事が進みますようお祈りいただくとともに、
    登降園時の安全には十分ご注意いただきますようお願い申し上げます。

     さて、まだまだ暑い日が続きますが、例年より一週間早い9月29日に運動会があります。
    お暑い中環境整備をしていただいたお蔭で、気持ちの良い園庭で練習することができます。
    本当に有難うございました。
    今年のテーマは『今できること!本気で、本気で頑張るぞ!』です。
    子どもたちの今の姿、伸ばしたい力、育てたい心…様々考慮してこのテーマになりました。
    180人近い子どもたち一人ひとりの力は全部違い、運動や表現の得手不得手もあります。
    できないこともあります。運動会当日はみんな揃って、間違えないようにビシッと決める!・・・
    それは目的ではありません。小さい子どもですから、練習はちゃんとできていても
    当日グダグダになることもあります。いつもは速くても当日転ぶことだってあります。
    急に発熱したり、水疱瘡にかかってお休みする子もいました。それに子どもたちにとっては
    楽しみでもありますが、やりたくない、幼稚園に行きたくない病を患うこともあります。
    元気に喜んで運動会に参加できる!それだけで十分な奇跡です。
    健康管理はもちろんのこと、今その子ができること、少し頑張ればできるようになることを
    大人がちゃんと見つけて、自分でも分かって、本気で頑張ることが大事です。
    何をどこまで頑張るのか、本気ってどんなことか、クラスのみんなと一緒に考えながらやっていく。
    それが大事です。できないことができるようになったり、挑戦したり、負けたり勝ったり、
    励ましてもらったり、褒めてもらったり。そんなことの繰り返しで、みんな強く逞しくなっていきます。
    みんなと同じことができるようになるのではなく、みんなと一緒にやることが楽しいと
    思えるような運動会になればいいなぁと思います。
     
     運動会は明治頃、『競闘遊戯』という名称で始まったそうです。軍事色が強く、
    障害物競争は俊敏な動きと判断力で前戦を駆け抜ける力を、綱引きは大砲を引く力を、
    玉入れは手りゅう弾を投げる力加減を身につける為のものだったとか・・・。
    優秀な兵士を育てるためのものだったのです。そう考えると今の運動会は、本当に幸せだなぁと思います。

     秋の運動会は、少しずつできることが増えてできることの嬉しさを感じ、
    自分だけの遊びから友だちと関わる面白さを覚え、一つのことをみんなでやろうと
    努力する力が付き始めるちょうどいい時期です。
    我が子が練習の過程で見せる様々な表情やことばに、親も本気で耳を傾け、心を配り、
    成長を感じながら当日を楽しみに応援しましょう。
    子どもも親も先生も『今できること!本気で、本気で頑張るぞ!!』です。

  • Penguins
    保育サービスは誰のため?               園長  湯本 美奈子

     先日沖縄で梅雨明けが発表されました。この辺の梅雨明けも間近でしょうか。
    いよいよ本格的な夏がやって来ます。
    昨年までに、エアコンも全クラス省エネの新しいものに取り換えましたので、
    熱中症に注意しながら、夏ならではの活動を楽しみたいものです。
     さて、懸案の御聖堂老朽化に伴う増改築工事も、交付申請が通り順調に進めば
    9月から解体工事に入ります。60年間ずっと見守り続けていただいた御聖堂ですので、
    たくさんの思い出があり、何だかとても寂しい気持ちになります。
    クリスマス会も御聖堂を使っていたのですが、幼稚園棟新築の際に、
    舞台として利用していた祭壇の部分が削られて、今の形になりました。
    その後はずっと、御聖堂は静かに神様のお話しを聞く場所、神様とお話しする場所として
    子どもたちの大切な居場所となっていました。それは新しい御聖堂になる、これからもずっと変わりません。
    職員にとっても、朝礼の前や帰りに訪れ、一日の保育や子どもたちの無事を祈り、
    感謝し、自分と向き合う大切な場所でもあります。
    皆さんには時代や環境が変わっても、変わらずにあり続ける安心の居場所や、人はありますか?
     政府は『人づくり革命』と銘打って人材への投資とし、待機児童を解消し
    女性就業率80%に対応できる『子育て安心プラン』の一環として来年度10月から
    幼児教育無償化を発表しました。年少から年長まで保育料がタダになるというのです。
    子育て世代には願ったり叶ったりの法案です。けれどもまだ、詳細は何も知らされていません。
    今より少ない時間でも就労扱いになるとか、預かり保育料も無料になるとか、
    無認可の施設も対象になるとか…様々な憶測で取り沙汰されていますが、
    一番大切な子どもの精神的安定や、親との愛着は、いつどのように育てるのでしょうか?
    お金のこと以外はどこにも書いてありません。
    先日ある園長先生が「朝登園してきたらお母さんが、うちはお金がないので
    朝ご飯は食べさせてありません。宜しくお願いします」と言って子どもを置いて行かれた」
    と話されました。また他の園長先生は「夕方、お早うございますと言って
    子どもを預けて行くんです。夜のお仕事のために」とも話されました。
    お金がないのは悲惨です。教育や愛着以前の問題で、生きていくだけで精いっぱいになります。
    お母さんも疲れやストレスで体を壊してしまいます。
    子どもの為にも助けなければなりません。ただそのような家庭は今でも保育料は無料でしょう。
    所得に関係なく無償化になったら、儲かった!では済まされません。
    その時こそみんなで真剣に、そのお金を子どものための何に使おうか?
    延長保育が無料なら本当に園に出した方が得?なのかetc.をしっかり考え、
    子どもが安心して親子関係を築き、安定した生活を送るために親として
    どのように関わるのがbetterなのかを考えなければ、子どもの将来や未来の日本に希望はありません。
    何だか固い文章になってしまいましたが、マリア幼稚園の保護者様はきっと理解して下さるでしょう。
    どんなに居心地のいい園の環境でも、おうちに代わる居場所はありません。
    どんなに善い先生でも、お母さんの代わりはできません。
    目先のニンジンに振り回されないよう、遠くの、笑顔あふれる、
    生き生きとした大人になった我が子を目指して、一緒に頑張りましょう。

     子どもの笑顔が輝く季節です。良い夏休みの体験が親子でできますよう祈っています。

  • Hydrangeas

    20年後の我が子のために                 園長  湯本 美奈子

     雨上がりの青空に山々の緑が鮮やかに映え、初夏のすがすがしい日々が続きます。
    先日の親子遠足は熱中症を心配するほどの暑さではありましたが、電車やバスを使い、
    頑張って3キロもの遠足を踏破した子どもたちに、エールを送りたいと思います。
    お忙しい中、参加して下さった保護者の皆様、ありがとうございました。
    そしてお疲れ様でした。
     5月は聖母月について触れましたが、カトリック教会では67月を『聖心(みこころ)の月』
    としてイエス様のみ心にならい、父である神様に心を向ける月として奨励しています。
    梅雨の時期の雨も、日々強くなる日差しも、全てに意味があり、
    神様の恵みによって生き生きと成長する動植物のさまを、親子で共感し楽しんでいきましょう。

     さて、私が子育てをしていた20年以上前からすると、驚くほど急速に携帯やパソコン、
    ゲームなどが普及し、子どもの経験する世界が非現実的でバーチャルな世界に変化してきました。
    先日新入園の3歳児さんがあまりに大泣きしているので由香里先生が様子を見に行くと、
    お母さんに会いたいのでもなく、家に帰りたいのでもなく「ユーチューブが見たい~!」
    と言って泣いているとのこと。それは仕方がないので「はい、YouTubeは見ません!」
    と言ってそのまま戻って来ました。忙しい時やぐずる時、ついつい利便性や即効性に富んだ
    YouTubeや携帯アプリに頼りがちですが、20年先の子どもの姿を思い浮かべながら、
    依存しないよう気を付けましょう。
     6月から年中・長のお昼寝が始まる前、今年も放送での絵本の読み聞かせを始めます。
    絵本やビデオなどと違って耳からだけのお話ですが、絵がない分想像して聞くことができます。
    終わった後「今日のお話はこれでおしまいです。おやすみなさい。」と言うと
    「おやすみなさい!」の返事が教室から聞こえてきます。
    「昨日は園長先生のお話なかったね…」と残念がる子どももいて嬉しい限りですが、
    放送ではなくお母さんのひざで読んでもらう『絵本のひと時』は子どもたちにとって、
    どんなにか珠玉の時間でしょう。私は子どもに『お母さんに絵本を読んでもらった思い出』
    を作ってあげたくて読み聞かせましたが、今となれば子どもより、
    『私が子どもと過ごした宝物のひととき』になっています。
    長女は『かいじゅうたちのいるところ』が大好きで、3歳頃には一冊丸暗記してしまいました。
    それなのに「読んで」と毎回せがまれました。二女は『いもうとのにゅういん』や
    『さっちゃんのまほうの手』などの心に訴えるような絵本をいつも持ってきました。
    長男は『ろくべぇまってろよ』とか『じごくのそうべい』などの他、長新太さんの
    『へんてこライオン』シリーズが好きでした。どんな絵本でもいいのです。
    子どもと一緒に過ごす時間が大切です。
    そして絵本を見る度にその頃の思い出がよみがえってくるような、
    そんな素敵な宝物の一冊に出会えるといいですね。
    即効性はありませんが『読み聞かせ』は肉声で肌と肌を触れ合わせ、抱きしめ、
    感動を共有できる最も有効なツールです。
    絵本を読んでとせがまれる時期はほんのちょっとです。
    だからこそ20年後の為の、宝物の時間なのです。 

  • トトロ
    『愛おしい時間』           園長  湯本 美奈子

     入園から半月が過ぎました。子どもたちは、新しい環境や先生や友だちの中で一生懸命頑張っています。
    風も日差しも草花も、そんな子どもたちを応援しているかのように心地よく、一年でもっとも美しい季節を迎えます。
    5月は『聖母月』として、マリア様に倣う月として奨励しています。
    マリア様はイエス様のお母さんですが、私たちみんなのお母さんでもあります。
    大好きなお母さんを思い浮かべながら、マリア様への思慕を深めて参りましょう。
     さて、NHKの『チコちゃんに叱られる』という番組をご存知ですか?改めて聞かれると知らないことが多く、
    答えられないと「ボ~っと生きてんじゃね~よ!」と自称5歳のチコちゃんに叱られるのです。
    ポン酢のポンは何のポン?とか、行ってらっしゃ~いと言うときに何故手を振るの?とか、
    ショートケーキってどんなケーキ?など、「へぇ~!」と思うことが沢山あって毎週楽しみに見ています。
    その中で、親と過ごせるのはあと何時間?という質問がありました。
    番組内での回答は、親と同居していない大人の場合、あくまで平均ですが1年間で親と会えるのは6日間だそうです。
    寝ている時間もあるので時間にすればもっと少ない。私の父は今年90歳になったので平均寿命を大幅に超えていて…
    そう考えるといつ会えなくなるか分かりません。また今度…なんて思わないで、
    ちょいちょい顔を見せに行こうと思います。
     番組では「子供と過ごせる生涯時間」も発表していました。母親が7年6ヶ月。
    父親は3年4ヶ月。まさか~!それっぽっち?と思いましたが、確かに幼稚園に入園する頃から
    会っている時間が急激に減ります。そしてその貴重な時間の32%が卒園までに、55%が小学校卒業までに、
    高校卒業までには73%が終わってしまうとのこと。幼稚園までは、どこへ行くにも何をするにも一緒だったけれど、
    小中学校へ進むにつれて、一人でも大丈夫な場面が増え、親とではなく友達といるようになってきます。
    親もだんだん関心が薄れていくのか、息子の高校の授業参観に行ったら、誰も見に行っていなくて、
    恥ずかしい思いをしたことを思い出しました。大学生活なんて話を聞くことくらいで実感がありませんでしたし、
    頼りにされるのは金銭的な援助?・・・ともあれ、何を言いたいかというと、我が子といられる今この時は、
    愛おしい宝物の時間で、あっという間になくなってしまう、かけがえのないものだということです。
     先日娘が1歳半の孫の動画を送ってきました。悪いことをしたのに絶対に謝らず、大泣きして抵抗する孫!
    娘も負けずに戦っています。私も自分の子育てを思い出し、キラキラとまぶしいくらいの幸せな動画でした。
    当たり前な普通の時間。でもそれを与えてもらえるのは母親の特権です。
    そして残念なことに、世のお父さん方は母親の半分しか子どもと関わる時間がないのですから、
    意識して時間を作り、濃厚に(笑)過ごしましょう。
    私たちのお母さんであるマリア様が今の世に生きておられても、イエス様の時と同じように
    一生懸命自分の仕事をしながら、自分の思いではなく『この子がよく育つための道具にして下さい』と
    祈りながら子育てをなさるでしょう。
    私たちも、この子にふさわしい母親、父親になれますようにと、祈りながら過ごしましょう。

  • さくら2
    どきどき、わくわく              園長  湯本 美奈子

    ご入園ご進級おめでとうございます。今年一年間どうぞ宜しくお願い致します。
    4月は『出会い』の時です。3月に様々なお別れをした人たちも、
    『どきどきわくわく』しながら新学期を迎えていることと思います。今年はどのような出会いが待っているのでしょうか。
    『やさしい先生だったらいいなぁ』『お友だちがたくさんできたらいいなぁ』と
    皆さんが思うでしょう。出会うこと、関わること全てのことは決して『偶然』ではありません。
    よく『子どもは親を選べない』とか言いますが、子どもを授かった時点で、
    神様がその子にふさわしい『親』を選んで下さっているのです。
    ですから親は選ばれた責任と自覚を持って、愛を込めて、その子にふさわしく
    成長させる使命を与えられています。
    では保護者の方々が今日まで大切に育ててこられたお子様を、何故幼稚園に入れるのでしょうか。
    もちろん社会性や協調性などを学ぶためです。人は一人では生きていけません。
    家にいるように一生自由気ままに好きなことだけをしていくこともできません。
    ですからこんどは子どもが自分で『生き生きと』生きていくための心と体の準備を
    してあげるのが幼稚園だと思います。排泄、食事、着替えなどの基本的生活習慣はもちろんですが、
    一番大切なのは幼稚園生活を通して『私はおうち以外でも、たくさんの人から愛されているんだ』
    ということを、子ども自身が実感することです。ですから、とびきりの笑顔で関わりたいです。
    一緒にたくさんあそびましょう。けれど『愛』は嬉しい、楽しいことだけでは育ちません。
    子どもたちは、辛さ、悲しさ、悔しさ、様々な『試練』を通して、
    もっと深い『愛』を学んでいきます。ですが、これらのことをまだ幼い子どもたちが
    体験して乗り越えてゆくには、『どんなことがあっても、あなたはかけがえのない大切な宝物。
    大丈夫、ちゃんと見てるよ、応援してるよ』ということを、親や教師が全身で
    気付かせていかなければなりません。しっかり愛されて育った子どもは、逆境にも強いのです。
    『辛抱』ということばがあります。
    『堪え忍び、我慢すること』と辞書には書いてありますが、
    ず〝―″っと頑張っていれば『―』を足して『辛』が『幸』という字になって、
    『幸抱』…『幸せを抱える人』になれるのだそうです。
    新学期、泣いてお母さんと離れられない新入園児さんや、けんかやおもちゃの
    取り合いで痛い思いを経験する子どもたちと一緒に、泣いたり笑ったりしながらその子らしく、
    愛をたくさん抱える人に育てていきたいと思います。
    保護者の皆様とご一緒に祈りながら、見守ってまいりましょう。

  •          イースターエッグ
    『幸せのかたち』                園長 湯本美奈子

     心配していた雪は昨年程ではないものの、突然の大雪で大事故やパニックになった地域もあります。
    早く暖かい春が来ないかと心待ちに過ごす今日この頃です。

     子どもたちはお正月のあそびや雪遊びをしながら作品展に向けて
    製作活動に励んでいます。今年は〝はらぺこあおむし″の世界を想像しながら、
    『廃品や様々な素材に親しむ』 『特性を活かして大切に使う
    (布・紙・ガムテープ・セロテープのり・ボンドなど)』
    『思いを形にする』などをねらいに、みんなで協力し合い、
    自分にできることで 『共働(きょうどう)的なあそび』 を展開していきます。
    今年度最後の参観日を楽しみに、ご家族揃ってお越しください。
     さて、年長さんはいよいよ4月から小学生ですね。
    マリア幼稚園で過ごした数年間は、子どもたちにとってどんな時間だったでしょうか?
    楽しいこと、泣きたいこと、色々あったと思います。あいさつのできる子、
    りんじんを愛する子、がまん強い子、ともだちと仲良くできる子、
    うそをつかない正直な子(あ・り・が・と・う)の教育には、
    いつも『愛である神様が、いつも共にいてくださる』 カトリック精神がありました。
     愛とか幸せってどんな時に感じますか?
    ご存知の方もいらっしゃると思いますが、60年近く前から障害者雇用を始め、
    現在も社員の7割以上が障害者で、チョークを作っている『日本理化工業(株)』。
    そこの社長さんは
    『人間の本当の幸せとは「愛されること、褒められること、
    役に立つこと、必要とされること」と話されました。
    まさにその通りだと、お話を聞きながら涙が出てきてしまいました。
     子どもたちはこれから成長し、社会の荒波に自分の船を漕ぎ出します。
    点数や人の評価や、心ない言動に振り回されることもあるでしょう。
    物やお金で一喜一憂することもあるでしょう。
    けれども、本当の幸せは目に見えないところにあることを忘れないで下さい。
    子どもたちに話しています。「目に見えるものは、
    人にあげれば無くなってしまうけれど、目に見えないやさしさや
    思いやりは使えば使うほど、神様がみんなの心に
    『愛』という宝物に替えて増やして下さるんだよ」と。
    「みんなの目も、口も、手や足も『愛』があればニコニコするし、
    やさしいことばを言うし、手も、なでてあげたりさすってあげたりできるし、
    足も困っている人の所に走っていくことができる。でも愛がなければ、
    にらんだり、傷つくことばを喋ったり、叩いたりつねったり蹴ったりする。
    みんなの体は神様が愛の心で遣うように下さったものなんだよ。」と。
    格差社会が広がる中、大切なものは目に見える確かなもの・・・
    に走りがちですが、子どもたちには本物の宝探しの旅に、
    船を漕ぎ出してほしいと願っています。
    『誰も見ていなくてもいつも見ていてくださる神様』だからこそ、
    子どもたちは神様に褒めてもらいたい、喜んでもらいたい、悲しませない
    という思いで生活し、心やさしく成長しました。
    生まれてくれたわが子が初めて笑った、寝返りを打った、歯が生えた、
    ことばを喋った・・・そんな些細なことが本当に嬉しく、ちょっとした言動に感動し、
    抱きしめ、褒めて育ててきた幸せな瞬間を忘れないで下さい。
    本当の幸せを知っている人は、ちょっとしたことではへこたれません。あきらめません。これからもまだまだ沢山の感動や幸せを子どもたちからもらえますよ。
    楽しみですね。見えない心の動きを評価し、これからも抱きしめ、
    褒めて育てましょう。必ず人にやさしく、幸せの種を蒔く人に育つことでしょう。 
    これからもずっと祈っています。

  • うれしい贈り物                 園長 湯本 美奈子

     あっという間にカレンダーも残すところ1枚になってしまいました。早いものです。
    寒くなってきますので体調管理に心掛けていただき、家族みんなで、
    イエス様に喜んでいただけるような、心のクリスマスプレゼントを準備しながら過ごしましょう。
     
     さて、クリスマスを考えたとき、何故神様の子どもが『人』となって
    生まれてきたのだろう…?という素朴な疑問を感じる方はいらっしゃらないでしょうか?
    簡単には説明できませんし単純に納得できるものではありませんが、
    そんな問いかけに答えてくれる、とてもわかりやすく書かれている絵本に出会いました。
     
     あるところに、クリスマスを見せかけのギマンだと思っている人がいました。
    彼は家族に優しく、人に対しては誠実な人でしたが、
    『神が人間として生まれたことを喜び祝う』クリスマスの意味を一切信じられませんでした。
    「私は、偽善は嫌いだからね。なぜ神が人間になったのか、私には理解できない。
    馬鹿げているとしか思えない。」クリスマスイブに妻と子どもたちは教会に出かけましたが、
    彼は家で留守番をしていました。 
    間もなく雪が降り始め、彼は暖炉に座って新聞を読み始めました。
    すると、『ドスン!!』と大きな音が何度もしたので驚いて外に出てみると、
    鳥の一群が吹雪の中を必死に避難場所を探して、暖かそうに見える家の窓に
    ぶつかってきていたのです。鳥たちは窓の下で身を寄せ合い、うずくまっていました。
    「かわいそうに。ここで凍え死にするのを黙ってみていられないな。」
    彼は、子どもたちが馬を飼っている納屋を思い出ました。
    『あそこなら鳥たちの暖かい避難場所になる!。』彼はコートを羽織り、
    雪靴を履くと、降り積もった雪をかき分けて納屋に向かい、戸を大きく開けて
    中の電気を点けました。しかし鳥たちは入って来ません。
    「えさで誘い込めるかな?」彼は家に戻ってパンをとると、納屋の入り口に向かって
    雪の上にパンくずを撒きました。しかし鳥たちはパンくずが餌だと知るよしもなく、
    雪の中をむなしく飛び回っているばかりです。彼は力いっぱい腕を振り、
    納屋に向かって追い立てようとしましたが、近づいて来るどころか
    暖かく明かりの灯った納屋には目もくれず、ちりぢりに逃げて行ってしまいました。
    「あぁ、鳥たちの目には私は見慣れない恐ろしい生き物に映っているのだろう。
    どうしたら信用してわかってもらえたのだろう。何とか助けたかった・・・。
    ちょっとでも私が鳥になれれば、鳥たちを安全な場所に誘導できたのに・・・」
    そう思ったその時です。あちこちの教会の鐘が鳴り出しました。
    彼は無言で立ち尽くし、クリスマスの喜びを告げる鐘の音に聞き入りました。
    そして雪の中にひざを落とし、そっとつぶやいたのです。
    「今ようやくわかりました。神様、あなたが何故人間になられたのかが・・・」   
    神様の思いが分かった時、本当のクリスマスの喜びと贈り物の価値がわかります。
    人間の姿になってまでも、私たちを幸福へと導いて下さろうとした神様によって
    生かされていること、家があり、家族があり、健康で安心してすごせる場所が
    与えられていること・・・等など。神様に数え切れないほどの
    贈り物をいただいていることに感謝してクリスマスを祝い、
    来年も又神様に導かれながら生活できる一年にしてゆきましょう。

  
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